アクリル板とCo2レーザー加工機はとても相性の良い素材です。
Co2レーザー加工機を入手すると、必ず加工する素材になると思います。
そのアクリルには製造方法の違いにより種類が2種類あって、それぞれ長所と短所があるので、加工する物によって使い分けることになります。
押出板
製造方法
溶かしたアクリル樹脂をローラーで押し出して作ります。
長所
・大量生産しやすい為、キャスト板に比べて価格が安い。
・板厚の精度が良い。
・分子量が粗いので、熱加工に適している。
・溶剤に溶けやすいので、溶剤接着しやすい。
短所
・耐薬品性に弱い。
・キャスト板に比べて硬度が低い。
・溶剤などでクラックが入りやすい。
・大きなサイズの板が製造できない。
用途
厚みの精度も高く、溶剤での接着や曲げに向いているので、アクリルのケースなどが最適です。
価格も安く、キャスト板よりレーザーでのカットもしやすいので、まずは押出板でレーザー加工機の練習すると良いでしょう。
キャスト板
製造方法
2枚のガラスの間に材料を流し込み、硬化させて作ります。
長所
・耐薬品性に優れている。
・押出板に比べて硬度が高い。
・溶剤などでクラックが入りにくい。
・大きなサイズの板が製造可能。
短所
・製造するのに手間がかかるので、価格が高い。
・板厚の精度が悪い。
・溶剤に溶けにくいので、溶剤接着しにくい。
用途
レーザーでの彫刻部分が綺麗に出るので、彫刻するキーホルダーや看板などに最適です。
レーザー彫刻での比較
実際に押出板とキャスト板をレーザー加工機で彫刻して、違いを見てみましょう。
まずは押出板を彫刻してみました。
続いてキャスト板を彫刻してみます。
写真では違いが判別しにくいですが、キャスト板のほうが明らかに鮮やかで繊細な彫刻が出来ています。
2つを並べてみると違いがハッキリと分かると思います。
上がキャスト板で下が押出板です。写真では下の押出板の彫刻が2重になって見えますが、透明なので裏側に反射してしまっているだけです。
キャスト板のほうが彫刻した部分が細かく彫刻でき、押出板のほうは彫刻部分がムラのようになってしまって、少しぼやけているように見えます。
更にアップで見てみましょう。
左がキャスト板で、右が押出板になります。
どちらも同じ出力とスピードで彫刻したものです。
うまく写真で撮影できないのですが、下からライトアップすると明確な違いが出ます。
左がキャスト板で右が押出です。
キャスト板のほうが彫刻部分が細かく滑らかなので、光が綺麗に拡散します。その為、ライトアップさせるプレートのようなものにはキャスト板が最適なのです。
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カットや曲げや正確な組み立てが必要な物の場合は押出板を使用し、キーホルダーやサインプレートのように彫刻を綺麗に見せる物にはキャスト板が適しています。
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