レーザー加工機の定番、キーホルダーをバレンタイン用ハート型に作る。

キーホルダー完成 アクリル
キーホルダー完成

バレンタインデーが近づいてきたので、キャストの3㎜カラーアクリル板の端材にレーザー彫刻とカットをし、100均の金具を取付けて、ピンク色のハート型のキーホルダーを制作していきたいと思います。

材料のアクリル板は「はざいや」さんで1箱税別2000円+送料で購入した、カラーアクリルの端材の箱の中からピンクっぽい色の物を選択しました。

材料

端材なので詳細は不明です。

キャストアクリル板3㎜

カラー 透明カスミ ピンク

データ作成

今回はInkscapeでデータを作成していきます。

まずは、新しいドキュメントを新規作成します。

ドキュメントの大きさは後で変えるので適当で大丈夫です。

とりあえず、デフォルトのA4サイズのままで進めます。

Inkscapeでデータ作成1

Inkscapeでデータ作成1

意外とハートの形を作るのが大変なので、テキストの♡をパスに変換する手抜き方法を使います。

テキストで♡を書き、

Inkscapeでデータ作成2

Inkscapeでデータ作成2

パス→オブジェクトをパスへを適応すると、文字データから形状のデータになります。

Inkscapeでデータ作成3

Inkscapeでデータ作成3

カットする外側のラインだけが欲しいので、内側のいらないラインは消していきます。

Inkscapeでデータ作成4

Inkscapeでデータ作成4

外側のラインだけになりました。

Inkscapeでデータ作成5

Inkscapeでデータ作成5

しかし、よく見ると何故か左右対称ではないので、左右対称に直していきます。

半分をカットするために、真ん中の繋がっている部分を選択ノードでパスを切断コマンドで上下共パスを切り離します。

Inkscapeでデータ作成6

Inkscapeでデータ作成6

半分を消します。

Inkscapeでデータ作成7

Inkscapeでデータ作成7

半分になったので、見やすいようにフィルの色は無しにして、PM:反転、行、列を1×2でタイルクローンを作成します。

Inkscapeでデータ作成8

Inkscapeでデータ作成8

いらないオブジェクトが1つ重なっているので、それを削除します。

Inkscapeでデータ作成9

Inkscapeでデータ作成9

微妙に角ばっているところやバランスなどを修正します。

元のオブジェクトを編集すると、自動的にクローンのオブジェクトにも反映されるので、左右対称の形が保たれます。

Inkscapeでデータ作成10

Inkscapeでデータ作成10

修正が終わったら、クローンのオブジェクトを選択して、編集→クローン→クローンのリンクを解除でクローンのリンクを解除します。

Inkscapeでデータ作成11

Inkscapeでデータ作成11

クローンのリンクを解除すると独立した2つのオブジェクトになるので、パスを繋げて1つのオブジェクトにします。

左右のオブジェクトの途切れている部分のノードを選択し、選択した端点ノードを連結コマンドで連結します。

Inkscapeでデータ作成12

Inkscapeでデータ作成12

これで左右対称のハートになりました。

Inkscapeでデータ作成13

Inkscapeでデータ作成13

3㎜で円を描いてリングを通す穴を作ります。

これでレーザーでカットする部分のデータが完成したので、線の太さをストロークのスタイルで0.1㎜にし、ストロークの塗りをR:255、G:0、B:0、A:255の完全な赤に設定します。ここがかなり重要で、数値が1でも違うとカットラインのデータではなくなってしまいます。

Inkscapeでデータ作成14

Inkscapeでデータ作成14

次に彫刻する部分の文字を入れます。

「HAPPY VALENTINE’S DAY」にしました。

彫刻したい部分は、ストロークの塗りは無しのフィルの塗りをR:0、G:0、B:0、A:255の完全な黒にします。

Inkscapeでデータ作成15

Inkscapeでデータ作成15

最後に何も選択していない状態で、ファイル→ドキュメントのプロパティで、ページサイズを描写全体または選択オブジェクトに合わせるをクリックします。

すると、ドキュメントがオブジェクト全体の大きさになります。何かのオブジェクトを選択してしまっていると、ドキュメントがそのオブジェクトの大きさになってしまうので注意してください。

この作業をしておかないと、レーザー加工機で加工するエリアがA4サイズのままになってしまいます。

これでデータは完成です。

Inkscapeでデータ作成16

Inkscapeでデータ作成16

データを保存するのですが、まずはInkscapeのデフォルト形式のsvg形式で保存します。

Inkscapeでデータ作成17

Inkscapeでデータ作成17

レーザー加工機で加工する時のソフトは、付属していたLaserDRWを使うのですが、「Scorch Works」さんの「Laser Draw Inkscape Extension」というInkscapeのLaserDRW用プラグインを使用させていただいているので、カット用と彫刻用のデータを別々に保存します。(まとめて全部一緒に保存することもできます。)

プラグインをインストールすると出てくる、Laser Draw LYZ(*.lyz)で保存します。

Inkscapeでデータ作成18

Inkscapeでデータ作成18

すると、カットや彫刻を選択するメニューが出るので、カットしたい赤色のラインのデータから保存します。

Vector Cuts(export red lines)をチェックし、OKをクリックします。

これで、カットするデータのみが保存されました。

Inkscapeでデータ作成19

Inkscapeでデータ作成19

同じく、彫刻する黒色の文字のデータも保存します。LZY形式で保存を選択し、Raster Engrave(export everything else)にチェックを入れてOKをクリックします。

これで、彫刻部分のデータも保存できました。

Inkscapeでデータ作成20

Inkscapeでデータ作成20

レーザー加工

実際にレーザー加工機で加工していきます。

アクリル板は2㎜でも良かったのですが、ピンクの2㎜が端材にありませんでした。

アクリル板

アクリル板

まだ保護フィルムが貼ってあってよく見えませんが、透明で片面がすりガラスのようなカスミのピンク色のアクリル板です。

アクリル板 アップ

アクリル板 アップ

レーザー加工機の作業テーブルにアクリル板をセットします。

アクリル板をセット

アクリル板をセット

最初に彫刻からやっていきます。カットを先にやってしまうと、厳密な位置合わせが面倒になってしまうからです。

作成した彫刻のデータをLaserDRWで開きます。

彫刻用データ

彫刻用データ

そして、本体の出力2.5mA(2.5mAでは足りなかったので3mA)にセットし、Engraveをクリックしてパラメーターをセットします。

Rotate:はdo nothingでMirrorのチェックは無し、 Style:はEngravingでSunkenチェック有り、Speed:は200mm/sにセットして、位置を調整します。

冷却水のポンプやエアアシストを確認し、OKであればStartingをクリックすれば彫刻が始まります。

彫刻開始

彫刻開始

彫刻が完了。

少し彫刻部分が浅かったようです。

初めて使う種類のアクリル板だったのですが、試し彫刻をしないでいきなり本番でやってしまったので、出力が少し足りませんでした。

(最終的には3mAで作り直しました。)

彫刻完了

彫刻完了

今度はカットしていきます。

カットのデータをLaserDRWで開きます。

カット用データ

カット用データ

彫刻と同じように本体の出力を10mAにセットし、Engraveをクリックしてパラメーターをセットします。

Rotate:はdo nothingでMirrorのチェックは無し、 Style:はCuttingでNearestのチェック無し、Speed:は5mm/sにセットして、位置はそのまま同じ位置のままにしておきます。

また冷却水のポンプやエアアシストを確認し、OKであればStartingをクリックすればカットが始まります。

カット開始

カット開始

カットが完了しました。

浮かせてあるので、カットが終わると下に落ちます。ハニカムテーブルではないので、浮かせてカットしないとアクリル板の裏側にレーザーが反射してしまい、裏側が汚くなってしまいます。

カット完了

カット完了

レーザー加工が完了しました。

レーザーでカットするとカットした部分が0.2㎜くらい小さくなるので、もう少し文字は小さくしたほうが良かったかもしれません。ちょっと端ギリギリになってしまいました。

カットしたアクリルのアップ

カットしたアクリルのアップ

金具取付

アクリル板の加工が終わったので、キーホルダーの金具を取付けていきます。

使用するものは、ダイソーの丸カンセット(大)税別100円と、同じくダイソーのKEY RING税別100円とラジオペンチ2つです。

金具と工具

金具と工具

丸カンの大きい方を2つのラジオペンチで開き、加工したアクリルの穴にKEY RINGと一緒に通してリングを戻せば完成です。

キーホルダー完成

キーホルダー完成

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まとめ

3㎜のアクリル板だとキーホルダーには厚すぎたかもしれません。リングを取付ける時に少し傷が付いてしまいました。

あとで気が付いたのですが、片側だけカスミなので、今回はカスミの方を表にして普通に彫刻しましたが、透明の方を表側にしてカスミの方を裏側にし、裏側のカスミにの方に反転させて彫刻すれば、奥行きが出ておしゃれな感じに仕上がったかもしれません。

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